難しい文章は読めるが英語のスピーキングが苦手…という人は多いです。確かにスピーキングの勉強は即効性がないので何が正しいのかイマイチ分からないというのは正直なところだと思います。
しかし英語のスピーキングが苦手な人に対して「スピーキングを伸ばすには海外に住めばいい」とか「毎日オンライン英会話をしろ」というのは少し乱暴なアドバイスです。
スピーキング力を伸ばすには、まずスピーキングしている時の頭の動きを分解して理解する必要があります。プログリットではスピーキングをしている時の人は下の3つのプロセスを取っていると教えられます。
スピーキングが苦手な人はこの3つのステップをそれぞれ切り分けてトレーニングする必要があります。筋トレする時に腹筋と胸筋は鍛え方が違いますよね?それと同じでスピーキングもステップによって鍛え方が違うのです。
二番目のステップである文章化のトレーニング方法 については前回の体験ブログ6で詳しく解説しましたので、興味がある人はそちらを見てください。今回の記事では概念化を鍛える方法をオンライン英会話の正しい使い方を含めてお伝えします。
英語でスピーキングをする時の頭の中
繰り返しになりますが、人は英語でスピーキングを行うとき3つのステップ「概念化→文章化→音声化」を踏んでいます。(※日本語で話している時はこの流れが高速すぎて意識することすら難しいですが基本的なプロセスは一緒です)
英語とは簡単に言えば単語を文法ルールに従って並べたものですので、並べる速さを上げるトレーニング(文章化のトレーニング)をすれば英語がスラスラ出てくるようになります。
一方で概念化というのはもっと複雑なものです。概念化とは「何かを説明する」ことや「自分の意見を持つ」ことなど、メタ的な力のことで、会話能力のベースになる力です。
オンライン英会話の使い方を変えて概念化を鍛える
それでは次に私がプログリットで学んだオンライン英会話を使ったスピーキングの概念化を鍛えるトレーニング方法を紹介します。概念化を鍛えるためのオンライン英会話の使い方は以下の3点がポイントです。
- フリー英会話を選択する
- 講師への方向づけを最初に行う
- 不自然なくらいフレームを使う
フリー英会話を選択する
オンライン英会話の会社によっては教材も話題も用意されていますが、これでは概念化の力はつきません。必ずフリートークができるオンライン英会話を選んでください。
教材も話題も用意されている英会話というのは講師が主体になります。しかしそうすると自分の頭で考える時間が削られてしまいせっかくの概念化の練習にならないからです。
講師への方向づけを最初に行う
フリーの英会話が始まったら最初に必ず講師に対して「このレッスンをどうしたいのか」という方向付けをしてください。例えば私は実際にどんなことを指示するかというと、
- 何か身近な話題をふってほしい
- 私が話すのをメインとしてほしい
- 講師には質問や深掘りをしてほしい
- 間違った文や発音は都度正してほしい
などの指示を出します。題材も何でもいいのですが「私が話す、そして講師がそれを深掘りする」という時間を長くとるようにレッスンをリードしてください。
たまにあるのが講師のほうが話している時間が長いレッスンです。正直それは講師の質も悪いとは思うのですが、講師の質を嘆いていても時間の無駄です。できることに集中しましょう。
概念化のトレーニングだと思えば講師の発音はほとんど関係ありません。発音よりもあなたの方向付けを正しく理解し質問や指導の上手い講師を贔屓にしましょう。
不自然なくらいフレームを使う
オンライン英会話はスピーキングにおける概念化を鍛えるためのトレーニングです。よってスピーキングのフレームワークを不自然なくらい使ってください。
例えば「私は◯◯は△△だと思います。理由は3つあります。1つは〜」などのような話し方や、「結論を先に言う」というフレームも意識して毎回実行します。
こういった話し方は日本語にすると違和感がありますがビジネス英語のスピーキングでは普通です。内容の真偽はどうでもいいので「意見→理由」を繰り返すことで英語的な頭の使い方を身体に染み込ませまてください。
オンライン英会話はあくまで練習試合です。生きたボールを決まったフォームで撃ちまくることでバッティングの精度を向上させるような感覚で使いましょう。
スピーキングの概念化に課題がある人の特徴と対策
スピーキングの概念化に課題がある人というのは、以下のような特徴を持っていることが多いと思います。
- 英語で言いたいことがまとまらない
- リスニングが苦手
- 日本語的な話し方「起承転結」が抜けない
- 全体と部分の思考がない
- 曖昧な話し方をする
それぞれの特徴について解説し対策をお伝えします。
英語で言いたいことがまとまらない
「英語だと言いたいことが出てこない」という人は一度日本語で考えてみることをおすすめします。英語を話しているときというのは脳の処理能力が低くなっているので、普段通り概念化するために日本語で考えるのです。
日本語で考えても出てこない人はそもそも何が言いたいのかまとまってない状態です。まずは自分は何が言いたいのかきちんと紙に書くなどしてまとめることから始めましょう。
慣れてくると紙もペンもいらないようになると思いますが、慣れるまでは言いたいことをまとめる概念化の練習だと思ってやってみてください。日本語での会話力も上達すると思います。
ポイント一度日本語で考える→徐々にその回数を減らす。
英語の中で特にリスニングが苦手である
英語のリスニングが苦手な人も概念化が得意でない人が多いように思います。それは当然と言えば当然でリスニングが出来ない人は情報を収集する力が低いからです。
相手の話をきちんと理解することができなければ有用なアウトプット(返答)はできません。よって「英語だと頭が真っ白」という人は何も考えずにリスニングのトレーニングをしたほうがいい場合もあります。
ポイントリスニングとスピーキングを一緒に鍛える。トレーニングの順番は英会話の基礎4ステップ にも記載。
日本語的な話し方「起承転結」が抜けない
日本語という言語は、意識しないと結論が最後になってしまいがちな言語です。例えば下のような文章があったとします。
昨日は晴れていたし、仕事も休みだったので、彼と一緒に新宿に買い物に行き、可愛いペンを買うことができた。
この文章の主語と述語は「私はペンを買った」というところですが、この「ペンを買った」に辿り着くまでにかなり時間がかかりますよね。
一方で英語の場合、同じような意味の文章を作ると下のようになります。
I bought a lovely pen when I I went shopping with my boy friend yesterday because it was holiday and really nice wether.
英語の場合には「I bought a lovely pen」が真っ先に来ますし真っ先にこないと少し不自然な文章になります。
ポイント結論から話すように意識する。日本語でも英語的な語順で書いたり話したりする。
全体と部分という思考がない
また話の構成一つとっても英語の場合には以下のようにまず全体のフレームを示すのがビジネス英語などでは頻繁に行われます。
I want to tell you 3 points. One is〜, the second is〜, finally, 〜.
英語のスピーキングにおいてはまず結論ありき、最初に話の全体像ありきで考えるクセがあると概念化の助けになります。
ポイント全体像を説明するところから話すクセをつける。
曖昧な話し方をする
スピーキングの概念化に課題がある人というのは曖昧な話し方をします。例えば普段何気なく使っている下のような言葉は日本語の曖昧な表現の代表です。
・お世話になっております
・お疲れさまです
・宜しくお願いします
日本語の曖昧な表現は奥ゆかしさや丁寧さの象徴ですので素晴らしいものだと思いますが、英語を話すときは話の内容を具体的にしていかないと伝わりません。
- お世話になっております
具体的に→情報の共有に関してありがとうございます
英語では→Thank you for sharing your information with us. - お疲れさまです
具体的に→今日は一日中働いてお疲れですよね、ありがとうございます
英語では→Thank you for your hard work today. - 宜しくお願いします
具体的に→レポートを早く書くように宜しくお願いします
英語では→I hope you will write a report quickly.
オンライン英会話はスポーツの“練習試合”みたいなもの
プログリット(PROGRIT)のコンサルタントは英会話のレッスンをスポーツで言うところの練習試合だと説明します。
例えば野球で強くなろうと思ったら毎日練習試合をしていても強くはなりません。素振りをしたり、キャッチボールをしたり、走ったりなどのトレーニングもして、追加で練習試合をするというようなバランスが必要だと思います。
スピーキングも同じです。英会話のレッスンは練習試合ですので適度に英語学習に取り入れていくべきです。オンライン英会話のトレーニングは何のためにやっているのか?という視点をもって学習に利用しましょう。
このブログの使い方
私がプログリットで学んだ英語学習の方法については下記のステップで読むことをおすすめします。ステップ1は飛ばしてもらっても構いません。